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分類空間


 PDF |分類空間Quillen's Theorem

 分類空間と聞くと真っ先に思い当たるのは、位相群Gに対しuniversal principal G-bundleを構成した思い出である。ここでは位相群からBGという空間を構成した(Milgramによる構成)が、もっと広くtopological monoid、あるいはただの群、monoid、small category、最終的にはtopological categoryからの構成がある【Seg72】。いずれにせよ、Simplicial spaceないしSimplicial setを経由して幾何学的実現を取るというものだ。群の分類空間の場合、(非自明な)有限群のように単純な構造の群からも、分類空間を取ると無限次元のCW複体ができる。一番の例はZ_2であるが、この分類空間はRP^∞である。しかし、無限群の分類空間の場合は逆に有限のCW複体に落ち着くことがある。例えばZの分類空間はS^1である。このギャップは面白い。
 名前から考えると、small categoryの分類空間も何かを分類しているはずだが、WeissはSheaf、あるいはE'tale spaceのcategoryへのfunctorを分類していると考えた【Wei05】。また、【Dus02】ではrewite systemを表すとある。

 位相群からBG、あるいはEGを構成した手順を一般化して、two-sidebarconstructionというものがある。これはGが空間X,Yにそれぞれ右、左から作用しているときに、B(X,G,Y)という空間を構成するのだが、手法はsimplisialspaceであるB*(X,G,Y)というものの幾何学的実現である。このとき、B(*,G,G)=EG、B(*,G,*)=BGという意味で一般化となっている。【西田85】を見るとよい。topological 2-groupの分類空間は、【BS08】、topological bicategoryの分類空間は【BJ09】に書かれている。

 さらにはtopological monoidの積の結合性をup to homotopyにしたA-infty spaceからも同様に分類空間が構成されることが、Stasheffが【Sta63】で著している。さらにはA-infty mapから分類空間の間の連続写像を誘導できる。

 Small categoryの分類空間としては、QuillenのHigher algebraic K-theory【Qu73】が詳しい、というか本編はalgebraic K-theoryで分類空間が主体というわけではないのだが、始めの数ページに書いてある。最近ではe-printが作られてそのAppendixにまとめられている。この中で、Quillenはfunctor F : C → Dから誘導される写像 BF : BC → BDがhomotopy equivalence、あるいはquasi fibrationになるためには、もとのFunctorあるいは、small categoryにどういう条件がついていればよいかを考えている。QuillenのTheorem A、Theorem Bと呼ばれている。やはり、Functorのfiberなるもの(fibered category)を考えて、それがどうなっているかというのを主眼においている。small categoryのhomotopy論というと大体この分類空間に着眼して考えることが多い。【jar06】。Quillen's theorem Bの一般化、およびhomotopy pull backについて考察しているのが【BK11】である。Topological category versionを研究している人もいるのだが、topological categroyになると付随する条件が尋常なく複雑になる。Libmanの【Lib06】におけるTheorem 5.8がtopological versionのQuiilen's Thorem Aである。Braided monoidal categoryのclaasifyingspaceというのもある【CMR09】
2-categoryの分類空間としては【Ceg09】【Hoy10】があるが、これらの中ではQuillen's theorem Aの2-category versionが調べられている。
 small category Cからsmall categoryのcategoryへのfunctorを考えたとき、Grothendieck constractionというものが考えられる。これはF : C → Catに対し、また別のsmall category Gr(F)を対応させるもので、その分類空間を考えたとき
BGr(F) 〜 hocolim_c BF(c)という具合にhomotopy colimitとして考えられるというものである。【DH01】を参照、あるいはW.Dwyerのみの前半の解説が彼のホームページから手に入る。また、B.Dwyerが2008年にコペンハーゲンで話した内容が【Dwy08】にある。model categoryから始まって、homotpy colimitや、small categoryにおけるclassifying space、Grtothendieck constructionなど多彩である。